ルンピニー
スタジアム |
ムエタイの最高峰と言えば、バンコク、ルンピニースタジアムとラジャダムナンスタジアム。この、2大スタジアムのチャンピオンになることが、ムエタイの頂点である。武田幸三いわく「野球でいうならメジャー」といったところだろう。近年K-1や映画の影響もあり、リングサイド席に日本人観光客の姿も多く見られるようになってきた。ところが、ムエタイ観戦をしている外国人のほとんどが一様に退屈な表情を浮かべ、あくびを繰り返している。 こんな声も聞こえてくる。「ムエタイってたいしたことないね。」「ほんとに強いの?」最強格闘技といわれるムエタイの鮮やかなKOを見に来た人は拍子抜けしてしまう。 はっきり言ってムエタイの試合はつまらない。キックボクシング経験者でもない限り、格別につまらないだろう。何故か? また、ムエタイはミドルキック、ひざ蹴り、ひじなどが高ポイントのため、日本人になじみのパンチやローキックの攻防は少ない。結果、離れてのキックの打ち合いや、組んでひざや肘の攻防が多くなる。ここでも凄いテクニックの応酬が見られるが、レベルが高く(防御がお互い上手い)めったにクリーンヒットしない為、知らないとただいちゃついているように見えてしまう。離れてパンチの打ち合いかわし合いに見慣れている日本人には、技術がないように見えてしまうのである。 さて、ムエタイではあまりに強い選手には試合が組まれなくなってしまうが(賭けが成立しないため)、そんな中、現在のムエタイ界の至宝アヌワット(ゲオサムリットジム)はKO率50%以上を誇るスーパースターだ。試合も依然組まれ続けている。パンチとローキック主体の選手なので、日本人好みの選手だ。ブアカーオのように体重をあげてK-1でも見てみたいものだ。 ムエタイを楽しむ為には、1,賭けをする、2,テクニックを知ってその攻防を楽しむ、3,独特の賭場の雰囲気を味わう、のどれかになるだろうか。攻撃が決まる度に、「オーイ!オーイ!」と熱い歓声があがる。エンターテイメントではないのである。
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